※2019年5月22日追記
アメリカ駐在中の選択のすゝめです。毎年永住権の抽選に申し込んでいて、今年も見事に外れました。毎年10月になると申し込み、翌年5月頭に抽選結果が出る長いスパンの宝くじです。
DV2020(Diversity Visa program 2020)に外れたわけですが、今年2019年の秋申し込みのDV2021が最後になる可能性が出てきました。
ビルド・アメリカ・ビザとは?アメリカも永住権のポイント制が始まる、かも。
2019年5月、トランプ大統領により新しい永住権制度の案(ここ重要)が発表になりました。まだ案ですので、確定ではありません。しかしながら、大統領選挙の時から掲げ続けてきた公約の1つですし、有言即実行のトランプ大統領はガンガン進めてくることは間違いありません。
彼は、不法移民の排除を徹底して行おうとしており、一貫して国益のためになる(と信じている)ことを行動に移し続けています。
例えば、運転免許の更新の際にも、今年2019年から移民局の審査が入ることになりました。これまではアメリカ人と同じ免許が交付されていました。
通常、期間は4年なのですが外国人はパスポートやビザ、I-94などの滞在期限の最も短い日付までが有効期間です。そのため、パスポートやビザなどを更新したら運転免許も更新するという非常に面倒なことを行う必要がありました。
これにさらに移民局の審査が入るようになったため、ランダムに引っかかると運転更新時に3週間から4週間ほどかかる場合が出てきました。実際に6週間くらいかかったという事例も聞きました。
不法移民には運転免許は渡さないぞ。ということです。車必須の地方にいる不法移民は詰みます。自業自得だぞ、ということです。
また、新しく交付される免許は外国人専用の免許です。これまではアメリカ国内便であれば運転免許をIDとして使用できたのですが、外国人専用免許はIDとして使用が認められる場所が少なくなり、空港ではパスポートを提示しなければならなくなりました。
こうして、まともに生活している外国人は肩身が狭くなります。着実に不法移民を締め出す制度が出来上がってきています。おそるべし有言実行のトランプ大統領。
さて、やっと本題ですが、今回の永住権の抽選システム廃止は当然の流れです。国益をもたらす人だけ来てね、というわかりやすいものです。
職なし、金なし、能力なしは来ないで!有能でお金持ち、さらに若くて年金システム支えてくれる人大大大募集!というものなのですが、せっかくなので詳細をまとめていきます。物理的なものだけでなく、スペックの「壁」を打ち上げていくのがよくわかります。
ビルド・アメリカ・ビザ(Build America Visa)の概要まとめ
- これまで毎年行われていた抽選は廃止へ
- メリットベース(ポイント制)申請システムの導入
- アメリカに国益をもたらす人に対しての発行数を増やす考え
- 雇用ベース・スキルベースは現行の約5倍へ 12%から57%へ増加
- 家族ベースは現行の半分に縮小 66%から33%まで引き下げる
- 残りの10%は亡命受け入れなどの人道支援枠
- これまでの毎年の発給枠数には変化なし。
トランプ大統領は、永住権の抽選システムを批判し続けてきました。抽選で永住権がもらえるなんて馬鹿げていると一貫して主張していました。
彼は移民制度自体に反対しているわけではありません。移民にはどんどん来て欲しい、門戸は開放すると発言しています。ただし、誰にでも来てほしいわけではなく何かアメリカに恩恵をもたらす人のみが来るべきだと発言しています。
永住権の抽選プログラムは廃止
ランダムに永住権を配るなんてどうかしてる、というのがトランプ大統領の考え。移民が増えるのは歓迎だけど、わけわからない人を家へ上げる、さらに鍵をあげるなんて意味がわからない、という考え方。これはよく分かります。
ただ、抽選には夢がありました。現行ではウェブ申請ですが、かつて郵送で申し込みだった時代には、一人頭の制限が実質なかったため申請しまくって当選確率を上げていた、という話しをよく聞きます。
抽選=宝くじ=アメリカンドリームの一部、という感じがして個人的には好きだったのですが、国益を第一に考えると、抽選は間違っていると言わざるを得ません。
メリットベース(ポイント制)の導入
言葉通りなのですが、あなたはどれだけ我が国にメリットをもたらせますか?というのを数値化する制度です。
このポイントが高ければ高いほど我が国の国益に貢献する、という考え方で、日本を含む様々な国が導入しています。基準は国によります。
国益をもたらすというのは、雇用を産み出す、税金や社会保障費を沢山払うことはもちろん、専門的な知識や技術を広めたりする人のことです。間違っても生活保護にすがるような人のことではありません。
あなたを受け入れるメリットは、なんでしょう?問われてメリットを明確に示せる証拠が必要です。
年齢が若いほど有利
これは年齢差別というわけではなく、単にこれから社保を支払う期間が長く、国への貢献度が高いから歓迎します、ということを意味します。
つまり、20歳あたりなどの就労可能開始年齢が一番高いポイントを得られるということを意味します。それ以上若くなってもさらにポイントが増えるわけではないと思います。
また、学歴もポイント要件に並んでいるため、最低でも学士レベルの22歳あたりになるのではないでしょうか。You will get more points for being a younger WORKERとの発言もあるので、間違いなさそうです。
アメリカ永住権を取るにはこんな人になろう
アメリカ永住権の新制度のポイントとなってくるのは下記の通りです。下記全てを満たせるのであれば永住権はむしろ鉄板だと言えます。お金持ちの家の高学歴の若者であれば可能性はぐっと高まります。
- 若い:税金これから沢山払う
- 高収入:有能人材、単純労働を奪わない、生活保護を奪わない
- 高スキル:有能人材、単純労働を奪わない
- 資産の残高証明:生活保護を奪わない
- 内定あり:無職は困ります、生活保護を奪わない
- 高学位(修士以上)あり:有能人材
- アメリカ人の雇用予定あり:失業率下がる、アメリカ人幸せ
英語試験とアメリカ史試験の2つをクリアしないとビルドアメリカビザは発給されないとの発言もありました。それくらいは確かに出来て欲しいですよね。永住を考えているくらいなら。
これらは決定になったわけではなく、2020年までは成立しない見込みとのこと。ただし、トランプ大統領は有言実行ですので、差し戻し等を受けながらもガンガン進める可能性は高いでしょう。アメリカ人を幸せにできる人、あるいはアメリカ人の取り分を横取りしない人が求められています。
今回の変更が通れば、いわゆる宝くじは廃止されます。
それはつまり、英語も出来ないし専門性もないけど、なんとなくアメリカに移住したいなあ的な人や、とりあえず永住権がきっかけでアメリカに移住することになったという永住権が入り口、という人がいなくなります。
それはつまり、英語も出来ないし専門性もないけど、なんとなくアメリカに移住したいなあ的な人や、とりあえず永住権がきっかけでアメリカに移住することになったという永住権が入り口、という人がいなくなります。
逆に、今現在アメリカで正規就学、正規就労されている方は可能性が高まると言えます。なぜなら上記の条件はある程度満たしているからこそ今の立ち位置が確保できているためです。
トランプ大統領から今後も目が離せません。
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