『現地採用やめとけ』がやっぱり正しい5つの理由


現地採用も海外駐在も経験があり、日本、インド、アメリカなど複数国で就労経験のある選択のすゝめです。みなさん、生活は順調ですか?今日は改めて『現地採用やめとけ』論を説いていきたいと思います。

現地採用やめとけ、とはよく言われます。心の底、いえ、地球の裏側くらいから同意します。何ならじっちゃんの名に懸けて(古い)同意します。百聞は一見に如かず、現地採用を実際に経験しなければこれくらい同意できません。

現地採用とは?


現地採用(海外現地採用)とは、海外現地の子会社に勤める現地法人社員のことです。現地採用=海外子会社の社員です。例えば、アメリカの会社で働く社員。もしもその会社の親会社が日本にあったら。

そのアメリカの会社は日系企業現地法人であり、そこ採用された社員が、いわゆる現地採用です。世界中の日系企業で、現地採用の現地人や日本人が働いています。

居住国資本の会社(アメリカならアメリカ企業)に勤める場合は本社採用なので、よく言われる現地採用とは異なります。例えば日本にある外資系は、海外本社の在日子会社です。ですので、日本で外資系に勤める人は現地採用です。

外資系は待遇が悪くないのでOKですが、私がやめとけという現地採用とは、海外にある日系企業の現地採用です。特に、その国で永住権が無い場合です。

現地採用は給料が低い


給料が低い。いきなり来ましたね。ザ・日本企業の代名詞。

必ずしも現地採用の人のスキルが低いわけではありません。仕事が少ないわけでも、貢献度が低いわけでもありません。それは『日本だから』という理由が非常に大きいです。

日本の企業は年功序列を大前提としているシステムであるため、給料が低い状態が長く続きます。その長い下積み時代を乗り越えた者だけがご褒美として、若い時の我慢料を返してもらえるようなシステムです。

それでも決して多いとは言えず、さらに退職金という形で退職後のボーナスを多めにします。これは原資が給料で、『給料の後払い』です。

とにかく、日本企業は定年退職まで働いてやっと元が取れるシステムなのです(つまり、給料も低くて退職金も無い日本企業からは即転職して少しでもまともな会社を探すことが大事)。


大企業であればあるほど給料や福利厚生がよくなります。裏を返せば中小企業の給料や福利厚生は雀の涙です。さらに、日本の会社にはルールがあります。親会社の待遇が一番であり、子会社の待遇は良くても同等、基本的には下です。孫会社だともっと下です。

これははっきり言ってつらいです。上述した通り、世界的に日本企業の給料は低いです。それが、子会社となるとさらに下がります。なのに、その子会社が物価の高い国に存在するとしたら?物価の安い日本でさえ「この安月給!」状態なのに、海外の場合はさらに「この糞安月給が!」状態におちいるというわけです。

つまり、


これこそが日系企業最大の落とし穴です。対価を出来る限り払いたくない、のはどの企業においても同じかもしれませんが、日系企業は法を犯してでも対価を払いたがらない傾向が強いです。

労働基準法?みんなで破れば怖くないです。日本では罪に対しての罰が無い、或いは非常に軽いです。その場合は法を守るインセンティブが非常に小さくなり、やったもん勝ちになります。大企業でこれですから、中小企業は無法地帯が基本です。

日本企業+子会社という2点が組み合わさるとどうなるかというと、待遇に期待をするのには無理があります。日本より物価が高い国でも、物価を考慮しても親会社よりも子会社の待遇が良くなってしまうことは避けなければならないのです。お上より偉くなってはいけないのですから。忖度しましょう。もちろん例外があるのですが、タブー視されています。

日本にある外資系の給料が高いのは、海外本社の給料が高い、あるいはもっと高い、ということを意味します。日本にある外資系は子会社なのに日本大企業本社の報酬よりも高めに設定されています。日本の一般的な報酬水準は、それくらい



覚えておいてください。

日本企業+子会社+現地採用=給料が低い

これは日本史より重要です。学校では教えてくれない事実です。
過去ではなく、未来を見ましょう。

現地採用のキャリアパスには天井がある


子会社あるあるです。キャリアパスには天井があります。俺・私は現地で揉まれて、結果出して、そして上り詰めるんだ!と息巻いているあなた。お願いですから落ち着いてください。子会社のトップは親会社次第です。

子会社のトップは大体親会社から送りこまれます。これは世界共通ですので、日系だから、なんて話ではありません。脳からの意志伝達のために必要な存在です。これが国境を越えると駐在と呼ばれます。

ゆくゆくは駐在員ではなく現地のマネジメントの現地化が目標とはよく聞く言葉なのですが、現地法人が暴走する、不透明化するために結局はまた親会社からトップが送られてくることが多いです。



そんなことはない、現地人のトップが必要だ、という方も多くいらっしゃいます。そのようなやり方もあるでしょう。でも覚えておいてください。それはあなたではなく、「現地人」の方です。残念ながら見た目も名前も現地人の方が好まれます。

「うちの会社の現地法人の社長は現地人」と、胸を張って言いたいんです日本の経営者は。現地で生まれ育った見た目も中身も、わかりやすく現地人である必要があるんです。もちろん、例外はありますが、現地採用の日本人がトップになるという再現性は低めです。

真っ先に切られる対象

現地採用は、誤解を恐れずに言えば、右腕です。手足です。ブレインではありません。経営が危うくなったときに、まずは現地採用から切られていきます。もちろん、駐在員の人数が多い、後任が送りこまれなくなる、などは起きるかもしれません。ですが、それは本国に戻るだけであり、職がなくなるわけではありません。

現地採用はコスト削減対象の第一グループです。特に、普段から扱いにくい現地採用社員はこういう時にこそ切られやすいので注意が必要です。

現地採用はキャリアパス?何それおいしいの?状態です。代替可能なエネルギー状態です。あなたには代替できないような強みがありますか?

現地採用は医療費が高い・保険料が高い

アメリカは特に高いです。お金が無ければ病気にもなれません。

日本の会社と異なり、健康保険、目や歯の保険の内容が会社によって大きな差があります。また、労使の負担率もそれぞれです。働く本人は〇〇%、家族分の保険は〇〇%が個人負担、会社負担、などがあります。家族分は一切負担しない雇用主も多いです。

例えば本人の保険料が80/20(会社8割、本人2割負担)、家族分が0という会社は、家族が多い人は避けたい就職先です。

一発7,000ドルの請求書が来る。実費は入っている保険次第。

さらに、医療費そのものも高いです。X線やCTなど画像系は非常に高いです。CTスキャン撮ると一発7000ドルの請求が来たりします。弱っているときにお金の交渉をしなければなりません。上述の通り、ただでさえ給料が少ないのにですよ?病気は相手を選びません。コロナ相手でも同じです。もし、働けなくなったら。

これが海外駐在だとどうなるか。駐在員用の海外旅行保険に日本の会社負担で入れます。医療費実質ゼロ状態になります。経済的負担だけでなく、不安からも解放されます。現地保険料の負担率なんて、知らない駐在員がほとんどです。

現地採用は、生活が懸かっていますから全てを調べ、交渉しなければなりません。ですが相手が日系企業だと、『うちは日本の会社だから』という都合の良い言い訳をされてしまうでしょう。

現地採用は詰みやすい

医療費の件もそうですが、コロナで気づいたことがあります。医療費が高くて、ただでさえあまり余裕のない家計へのインパクトが大きいだけでなく、緊急時に周辺国や日本に戻るという選択肢が現地採用にはありません。

あるのは一時帰休だけです。現地採用は職を失う可能性が高いです。職を失わなくても、収入を失っている方が沢山います。現地の永住権や国籍を得ていれば何の問題もありません。

問題になるのは、就労ビザで働いている人です。就労ビザは、その企業に雇用されているからこそ有効です。つまり、解雇の憂き目にあった場合、厳密にはその瞬間から不法滞在になります。即不法滞在状態、というのを避ける方法はありますが、会社との関係が良好でないと難しいでしょう。とにかく常に首輪が付いている状態と同じで、これが現地採用がいわゆるビザ奴隷といわれる所以です。



ビザというものは外国人にとって命についで大事なものです。その国にいる権利、その国で運転する権利、その国で何かする権利は全てがそのビザを土台としているため、失わないように最大の注意を払う必要があります。これは結構気疲れするものです。自分の国を出てみないと分からない感覚です。

一方の海外駐在は、会社にもよりますが日本に帰ることも現地に留まることもできます。本籍は日本です。職は失いません。2020年4月現在では、アメリカ駐在員は7割がアメリカに残っているというアンケート結果もあります。

何かあったときに、常に背水の陣なのが現地採用です。

現地採用は悲惨な状況に陥りやすい

全てを捨てて、海外引越できますか?全ての土台は健康とビザです。健康管理はある程度自分でも出来ますが、ビザは自分以外の要素がとても大きなものです。

現地採用が抱える問題です。仕事も人脈も、海外現地流でやってきて、或る日突然日本に帰らざるを得ない状況になってしまったら。親の世話をしなければならない、など様々な理由があると思います。とにかく、築いた全てを失いかねません。砂上の楼閣です。


海外で住み慣れた広い家、住み慣れた環境に別れを告げて、日本の空気の中で働けますか?むっり~!、という方が多いと思います。その場合は外資系一択だと思いますが、戻る・戻りたい予定の場所に、あなたが働いてる業界の外資系企業はありますか?

何かを選ぶ時は、常に出口のことを考えておくことが賢明です。背水の陣である場合は、それが崩れた時のプランBについて最低でも想定しておかないと、収入も家もないなんて状態に陥りかねません。

就労ビザで働いている限り、全てが不安定な状況だということを常に認識しておく必要があります。中でも、現地採用は誰の助けもなく、自力で生き延びる必要があります。人生を戦略的に生きなければ、現地採用は溺れやすいです。雑草魂、戦略的思考は身につくかも知れませんが。

現地採用やめとけ、で間違いない


結論としては、やはり、現地採用はやめとけ、です。

  1. 給料低い
  2. 天井あり
  3. 医療費高い
  4. 詰みやすい
  5. 不安定で悲惨

完全に割り切れる方、あるいは明確な目的がある方、自信がある方以外にはお勧めできません。私は海外大卒で、なんとなくで日系企業に就職してしまい、その後痛い目にあいました。

現地内資の企業に勤めるのが理想的ですが、ビザの面を筆頭にハードルが高いです。酸いも甘いも経験してみて、突き詰めてみて、海外出るならこうするのが良いと結論付けたのが『海外駐在』という方法でした。

海外駐在には、現地採用が抱える全てのデメリットが一つもありません。強くてニューゲーム状態です。強いて挙げるならば、海外現地で働く日本人からのやっかみが強いです。気にするものではないのですが、負の感情というものは歓迎できるものではありません。

海外で働くことを目指す人には、何か特別な理由が無い限りは海外現地の日系企業に現地採用として勤めることはお勧めしません。一度立ち止まって、何度も何度も現地採用のデメリットを読んでみてください。

今は良くても、10年後のことまで考えていますか?海外に出たいのなら、超長期で物事を考えることがとても役立ちます。

それでも、と覚悟を決められる人には、元・現地採用として背中を押したいと思います。
あなたはどう生きていきたいですか?

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