アメリカ駐在員の年収大公開【メーカーでも1650万円!!】


こんにちは。選択のすゝめです。

日本の皆様、明けましておめでとうございます。こちらでは2018年も大晦日を迎え、2019年になるまでもうあと少しです。

今年はTwitterでつぶやき始めたり、超適当な米国株投資から、適当なインカムゲイン投資に移ってみたり、新たな取り組みを何個か実行に移すことが出来ました。まだまだ足りないです。

自分が色んなことに気づいていくなかで、私も世間の皆様に海外駐在を志すべききっかけを提供できたらと思います。

アメリカでのメーカー海外駐在員の給与大公開 2019年見込みは、税込み年収15万ドル! 

さて、海外駐在員の2019年用の給料グロスアップ計算が終了したため、ざっくり公開します。年収15万ドルです。110円換算で1650万円。

ちな中堅部品メーカー、家族帯同、管理職です。駐在員にもピンからキリまでいますが、グロスアップ(税込み年収)としては15万ドルというのは実は少ない方なんです。少ないんです。

私の親戚も駐在員でしたが、彼の駐在時の税込年収は40万ドルを超えていたそうです。異業種であるため、給与水準や駐在場所が異なり、手当や家賃が相当高かったようです。

特に、海外要員が今よりも厚遇されていた時代です。マンハッタンのペントハウスや、ライの駐在員エリアに住んでいたようですので、そりゃ高い高い。

家、車、子供の学費、海外勤務、役職などの各種手当の考え方は、業種だけに留まらず、会社によってかなり異なります。各項目について、詳細を紹介していきます。

海外駐在でも会社や役職によって全く異なる待遇 

駐在員の給料ってどうなってるの?

日本円と現地通貨の両方で支給されます。7対3とか、5対5など割合で決めても良いですし、具体的な金額で指定も出来ます。会社によります。

TransferWiseを使ってレートロックを最大活用しながらドル転しています。2020年4月現在まで、TransferWiseで累計1,600万円ドル転しています汗。外為のゲームチェンジャーです。

駐在員は日本円と現地通貨のやり取りを行う機会が必ずあるため、TransferWiseの口座は日本出国前に開設しておいた方が良いです。

駐在員の家の基準は?

安全保障という観点から、駐在員は治安の良いエリアに住むことが求められています。

これはどの会社でも大体同じ考え方です。何かあったときに、責任を負うのは企業側ですので、リスクを避けたがります。保険のようなものです。

治安の良いエリア=家の価格が高い=家賃も高い、という図式です。

特にこのご時世は治安が悪くなっていますので、治安の良いエリアに住めていることに本当に感謝です。家も大きいのでロックダウン中でも、ストレスの溜まり方が少ないのではないでしょうか。

アメリカ駐在員の家の部屋数は?選び方は?

部屋数に関しては、一人一部屋当てがう計算が多いです。そのため家族が多ければその分家賃も高くなります。私の居る都市では、月額家賃が大体2,000~3,000ドルの家に住むことが多いです。これが税込年収を押し上げる一番の要素です。

家賃は会社持ちなのですが、現物給付扱いとなるため税込年収に含まれます。あくまでも福利厚生の一環なので、駐在員は子だくさん家庭が多いです。子供が沢山欲しい場合は駐在員を目指しましょう。家選びの基準は、後述します。

アメリカ駐在員は車もらえるの?

車は車メーカーであれば、本人と奥さん分の2台支給されます。おめでとうございます。

それ以外は大概本人の1台分だけです。うちは1台のみの支給(正確には社用車で通勤)です。こちらも現物給付扱いとなるため、毎月の給料で使用部分が支給された扱いになっています。社用車を使用しているだけで、実際にはお金はもらっていませんが、税込年収には含まれています。

運転好きの場合も、駐在員を目指すと良いかもしれません。私はあまり好きではありませんが、子供が居ると最高に便利な道具だと感じています。安全の問題上、運転が許されていない国がほとんどだと思いますが、その場合は運転手もついてきます。それが駐在員です。

奥さん分は自費で購入しました。何の手当もありませんでした。会社によっては、駐在員家族が損をしないように、帰任時に車を売却した場合、購入時との差額分を会社が補填してくれる、という場合もあるようです。このようなケースは恵まれていると思います。

中には、1台も支給無し、という会社もあります。下手に海外慣れしている会社は、駐在員への手当をかなり絞る傾向があるため注意が必要です。いずれにせよ地方在住の場合は車が必要で、ビッケなどは持ち込み自体不可(モーターがダメ)ですし、何よりビッケで行ける距離には何もありません。車があると、子育ては楽です。

アメリカは保険の国ですので、自動車保険は高いです。お勤めの会社に紹介してもらえば会社レートで保険を購入できる場合があります。私はGEICOで自動車保険を購入していましたが、会社紹介のブローカー経由の保険屋に変更したところ、補償内容の改善とコスト削減を同時に行うことが出来ました。一度会社に聞いてみることをお勧めします。

駐在員は子供の学費も出るって本当?

本当です。

義務教育前までの分は、会社持ちの場合が殆どです。全額出してくれる場合もあれば、金額が決まっている場合もあります。義務教育は費用が掛かりませんが、日本でいう幼稚園の類は高額です。年間8,000ドルほどします。

日本に居れば補助、免除になりますが、海外ではそうもいかないため会社持ちになります。こちらも家賃と同じく福利厚生の一環ですので、子沢山でも費用負担が少ないようになっています。

海外駐在保険とは?医療保険ってどうなってるの?

医療保険でさえも、駐在員には海外駐在保険、そして現地医療保険の2種類があります。

会社によってはいずれか一方だけだったり、両方だったり。歯科保険については、入っていないという会社もあります。同じ『駐在員』という肩書でも待遇はかなり異なります。

現地医療保険は、会社によって労使負担率が異なりますが、駐在員の場合は100%会社負担です。

尚、これも税込年収に含まれます。海外駐在保険は税込年収には含まれません。含まれませんが、これも結構おいしいです。欧米パッケージだったりするため、そのエリア内であれば、私的な旅行でも旅行保険を購入しなくてもOKです。

尚、日本の健康保険も維持できます。そのため一時帰国中も日本の医療を3割負担で受けることが出来ます。〇乳などは、住民票が無いため適応外ですが、日本の医療の3割負担は非常に安いですのであまり心配する必要はありません。

海外駐在グロスアップ計算費用

こちらは、会計事務所が駐在員のグロスアップ計算を行うのに掛かる費用です。1人あたり200~800ドル前後が多いです。これも税込年収に含まれます。

自分には何のメリットもありませんが、個人に200~800ドルが支給された扱いになっています。費用の幅は、会計事務所や、計算する駐在員の人数によります。手取りには何の影響もないため無視して構いません。

海外現地での各種税金

上記の実費支給に加えて、各種税金が加えられます。これがいわゆるグロスアップです。手取り保証+上記現物給付等を支給するのに必要な税込年収を逆算します。それで各種税金が計算されます。安全な家、車、保険、子供の学費など様々な福利厚生の上に、税金が乗っかると、弱小メーカー駐在員でも年収15万ドルになってしまうわけです。

連邦税、州税、市税とありますが、州の所得税が無い州(例えばテキサス)などではグロスアップ後の総額が他の州に比べて小さくなります。そのため費用を抑えたい会社側としては魅力的な州です。

メーカー駐在員のアメリカでの生活・暮らしぶり

実際の手取りは、私の場合は日本に居るころとあまり変わっていません。正直金銭的メリットは大きくはありません。月額数万円増えているイメージです。それでも日本で普通に勤めて昇給を狙うよりよほど確実です。しかも、住民税の支払いも終えたため、その分日本円の手取りも増えています。

さらに、現地での家・車・子供の学費などが会社負担です。日本で家賃を支払っていた場合は、家賃支払いが無くなるため手取りがその分増えます。

また、日本ではあり得ないレベルの大きな家に住め、天井が高く、前後に庭があり、ルンバを2台走らせることが出来ます。フローリング用にブラーバを走らせている家も多いです。

QOLはぐっと上がります。ビルトインの車庫もついています。雨や雪の多いエリアでは、ビルトインの車庫の価値は非常に高いです。特に子供がいると、濡れずに外出できることが非常に助かっています。
日本で家を購入されている駐在員も多いです。

その場合は、皆さん売却するか、貸しに出して賃貸収入を得ています。いずれにせよ、金銭面でのマイナスは極力発生しないように会社側が守ってくれます。海外駐在員はその特性上、相対的に見ると過保護に守られています。だからこそ、海外駐在員を目指すべきなのです。

日本社会、日本企業では軒並みブラック企業が多いですが、その中で海外駐在員だけは過保護なのです。ここを目指さずどこを目指すべきでしょうか。

サラリーマン界の最終奥義が、海外駐在です。

忘れちゃいけないのが、子供手当などの自治体手当がもらえなくなること、ふるさと納税が出来なくなることです。

赴任年には気を付けることが沢山ありますので、海外駐在や海外現地採用で働くことを控えているご家庭は下記リンクをぜひご参考にしてください。

関連記事:これから海外駐在予定の方必見!住民票の裏技は赴任年にしか使えない!

駐在員の子供の英語教育、日本語教育

尚、子供への英語教育としては最高の環境を用意することができます。ただし、異文化での環境は子供にだって負担を掛けることをお忘れなく。そして、日本語教育としては最低の環境になってしまうことも忘れないで頂きたいです。

気を抜くと、子供はすぐに片言の日本語になってしまいます。日英両方の言語が中途半端な状態になります。

我が家の場合は、第一言語の教育の大切さを身に染みて感じています。家の中では日本語を徹底していますし、日本語の本の読み聞かせを大量に行っています。正直なところ、英語教育は中学・高校からで十分です。

それまでは日本語教育だけでも良かったと思っています。海外で、子供にまともな言語能力を持たせ、維持させるためには相当の労力が必要です。永住権を取るならばその日まで、日本語教育を疎かには決して出来ません。

子供同士だと英語になったりしていまいますし、両親が日本人でも日本語片言の子が多いです。英語でしか習っていない言い回しや単語が多くなるほど顕著になります。

そのため毎週土曜日に日本語補習校に行かせるわけですが、この日本語補習校費用も会社持ちです。毎週土曜日、年間50回弱を送迎するのですが、これが結構大変です。

しかも〇〇当番と言って、父母が運営に参加する仕組みになっています。すごいところでは、数年に一度担任の役すら回ってくるなんて話も聞いたことがあります。

駐在員が家を選ぶのに考えるべき7大要素

上記で述べた、家選びの基準がここにもあります。我が家は現在、補習校から1時間ほどのところに住んでいますが、朝と午後で2往復するので移動だけで4時間、毎週土曜日に取られます。4時間=240分=約240マイルです。

制限時速が約60マイル付近なので、1マイル1分で考えてください。マイルをキロに直す必要はありません。どの車も、満タンにすれば大体350マイル走れるように設定されています。送迎だけで、月に3回の給油が必要です。

ガソリン代が日本より安いとは言え、燃費は日本より各段に悪いため馬鹿になりません。海外駐在員の住むエリアはかなり限られてきます。下記が家探しの要素(大事な順番)です。
  1. 治安が良い
  2. 会社に近い
  3. 現地校に近い
  4. スーパーに近い
  5. アジアンスーパーに近い
  6. 補習校に近い
  7. 他に駐在員が居る場合は、その家にも出来るだけ近い
この要素を全て、或いは幾つか満たせるエリアで、自分の家族に適したサイズを探すと必然的に日本人駐在員は皆同じエリアに住むことになります。

これは良くも悪くも村社会を形成します。苦手な人は苦手ですし、向いている人には非常に向いています。人それぞれです。ですが、日本人が相当量まとまっているおかげで、日本食材店、日本食レストラン、アジアン系のお店が営業を続けることが出来ます。品揃えや競合も増えます。

日本人を毛嫌いしても、直接的に英語力が向上するわけではありません。むしろ、鮮度の高い情報は主婦ネットワーク無しには手に入りません。海外の主婦ネットワークで得られる情報は非常に価値があります。

海外駐在はサラリーマン界の究極の奥義

何度も言いますが、搾取されてばかりの日本人サラリーマン界の中で、異色の存在が海外駐在です。今あなたが日系にお勤めで、海外駐在の機会に恵まれそうにもないのなら、社外に機会を求めても良いと思います。

尚、海外=外資のイメージが強いかもしれませんが、外資に勤めるとむしろ海外駐在のチャンスは殆ど消滅してしまいます。駐在員は、親会社から子会社に行われるものだからです。日本にある外資には、海外本社からの駐在員はいますが、逆はありません。良くて、別の海外支社への転籍か本社への転籍です。そのチャンスも滅多にありません。

その転籍が会社都合の場合は、異動に伴う費用は会社持ちです。また、家賃も最初2年間は出たりしますが、その後には打ち切られ、現地採用となります。自ら異動を希望する場合、費用が出ない場合も多いです。

海外駐在への切符を手にしたいなら、必ず日本に本社がある会社にすることをお忘れなく。親会社から、子会社です。これは必ずです。

賢くサラリーマン生活を送りましょう。
情報収拾は大事です。


駐在するならこの本は必読です。