アメリカ(海外)で卵かけご飯を食べ放題にしてみたら人生が変わったので食べる方法を紹介


※2020年9月28日追記しました!
海外、特にアメリカでの卵かけご飯LOVERは必読です。この場を借りて、この記事を話題にして頂いた@Lazy_Kaishineさんと、一部情報の訂正と新情報の提供をして頂いた@abulaslimeさんに感謝を申し上げます。

選択のすゝめです。

海外生活大好きな選択のすゝめです。

突然ですが皆さんコロナで食生活破綻していませんか?はっきり言ってもう献立の限界、気力も無くなりましたので引退することになりました。。。とは言えません。家族はお腹を空かせて待っています。こんな時に卵かけご飯があれば。。。!

期待を裏切りません。少し長くなりますが、卵かけご飯を食べて、食べさせて、だだ下がり中?のQOLを爆上げさせましょう。

アメリカ(海外)で卵かけご飯を食べ放題にする方法とは?

本日は、アメリカ(海外)で卵かけご飯を食べ放題にする方法をご紹介します。アメリカでなくとも、日本を離れ海外で生活している方には一読の価値ありです。海外生活のQOLが天井突き破って急上昇すること間違いないことを、ここにお約束いたします。TKG、キメちゃいましょう。その前に、卵自体についても少し勉強しましょう!

もう我慢できない!という方はすっ飛ばして解決方法をAmazonで見てみてください。或いは目次最後まで飛んでって!

海外生活の実際


随分遠回りに話を始めますが、海外生活と言えば、日本ではキラキラした響きの良い生活に聞こえがちです。非・日常で刺激的な何かを想像しがちなのですが、生活するとなると生活の場自体が日常となります。否が応でも良いところも悪いところも付き合っていくことになります。毎日パーティーなんかしません。ただ、場所が変わるだけです。たまたま国境を越えただけ。

慣れることもあり、変えられることもあり、どうにもならないこともあり。

私の中で思いつくことと言えば、日本の食生活との断絶です。実際に失ってみるまでその価値がわからないなんてよく言いますが、多くの海外生活者が自国でのソウルフードを喉から手、いえ、人によっては肘から肩くらいまで出るほど切望しています。

昔と比べて人間の流動性が高まり、海外食材への需要も高まり、お店や品揃えが豊富になりました。つまり、海外においても様々な自国の食材が手に入るようになりました。ただ、それでも日本と同じ、というのはなかなかない状況です。物自体が手には入るようになったけれど、好きな味やメーカーではなかったり。さらにものすごい高かったり。

こだわり、なんて言っている場合ではありません。

卵かけご飯は、どんなにお金を払っても手に入らない


日本人はといえば、海外在住邦人の多くが、寿司やラーメンに加えて、「卵かけご飯」に恋焦がれる毎日を送っています。寿司は高い。外食全般が高いため、鮮度や品質に伴わない値段の外食をし続ける生活は現実的ではありません。

また、世界的和食の寿司やラーメンはお金さえ払えばどうにかなります。海外の国内の大都市を目指せば、日本レベルのものも無いことはありません。ただし、卵かけご飯はお店では食べられないのです。提供されていません。今後も無いでしょう。


常習性という観点で言えば、当たり前のように食卓で食べられた卵かけご飯を失うことは、ダメージが非常に大きいのです。え?卵自体はあるでしょ?何言ってるの食べればいいじゃん。と思ったそこのあなた。

食べられないんですよ。海外では、食べられないんです。特に卵かけご飯が大好きな子供たちが不憫でなりません。卵かけご飯を当たり前に食べられるのは、日本だけなんです。
卵かけご飯は、日本人が編み出した究極の和食と言っても過言ではないのです。日本はその国土の小ささからか、細かな物流網が張り巡らされており、また無類の「生」好きであるため生で食べるのが大好きで、鮮度を維持するための冷蔵技術が突出して優れています。

でもそんなインフラ、海外にはないから無理だわ。。と、諦める必要はありません。アメリカで、卵かけご飯を食べ放題にした方法をご紹介します。それを説明する前に、安心・安全に食べ放題にするために卵に対する知識をしっかりと持つ必要があります。

なぜ卵かけご飯は海外では食べられないのか


なんででしょうか?

その秘密とは、ずばりサルモネラ菌です。

サルモネラ菌が体内に入ると最悪の場合は髄膜炎や大動脈瘤にまで発展する可能性があります。超危険な食べ物ではないのですが、そういうリスクがあります。卵とサルモネラ菌は切っても切れない関係にあるのが、「普通」なんです。その理由は、卵が産まれる過程にありました。

卵はどこから出てくる?

皆さんは、卵がどこから出てくるか知っていますか?恥ずかしながら私は知りませんでした。卵は、肛門から出てくるのです。

本日のパワーワードが決まりましたね。

『あなたはどこから?卵は、肛門から♪』

です。

何度でも言いますが、肛門から出てくるんですよ。全ての卵は。

念のために卵の名誉にかけて補足しておきますと、勿論、胃や腸を通って出てくるのではなく、肛門の直前までは別のルートで来てます。

ただ、非常に残念なことに肛門手前で合流し、肛門から出てくるのです。言わば、卵と糞尿は肛門という玄関を共有した二世帯住宅という関係なのです。


ちゃんとキッチンも別にあるの、だけど玄関は一緒。一緒なのは玄関だけ!!信じて!
もしもーし!もしもーし!まじだから!本当に何もないから!

という悲痛な叫びがヒビ割れた卵の中から聞こえてくるようですが、玄関を共有しているというのは紛れも無い事実です。出たり入ったりではなく、出る一方なので決してよこしまな状態ではないのですが、信じたくない事実です。

糞尿にはサルモネラ菌が含まれているため、肛門で強制的に糞尿に汚染されるわけです。また、表面だけでなく中身までサルモネラ菌が到達している場合があります。

これが、海外の卵料理では黄身まで完全に火を通せ、と言われる理由です。

つまり、サルモネラ菌を殺せば問題なく食べられるわけです。これは人間VSサルモネラ菌の闘いなのです。私は絶対に負けたく無い、勝ってみせると心に誓いました。

日本の卵が生で食べても大丈夫な理由

では、なぜ日本の卵は食べられるのでしょうか?しかも生で。

実は日本では、生食を前提とした卵の生産システムが整えられています。いつから卵を食べているのか知りませんが、まずは先人たちに感謝です。

サルモネラ菌の可能性を徹底的に排除するために、鶏には抗生物質が投与されています。これで無菌化を狙います。

また、産まれた卵は特殊な液体にて洗卵という工程があり、表面もきれいに除菌されています。

内側と外側からダブルブロックをしています。

さらには、配送もチルド配送が行われており、生食をサポートする体制が完全に整っています。さらに、表示されている賞味期限も「生食用」の賞味期限ですので非常に短めです。

そのため、日本人は卵の賞味期限について短い印象を持っていますが、海外に出ると卵と言えば結構持つ、という印象を持たれています。実際に売られている卵のパッケージを確認すると、1か月以上先だったりします。

詳細は日本卵業協会や物流業界のサイトをご参照ください。
Card
【卵の輸配送温度について】茨城乳配の冷凍・冷蔵食品物流ブログ | 食品物流なら茨城乳配株式会社

海外の卵の仕組み

海外では生食というアイデアがそもそもありません。

サルモネラ菌の繁殖が怖いため、法律でチルド配送が義務付けられている国もあるようです。アメリカは義務付けられているとのこと。もちろん、洗卵なんてされていません。←※2020年9月28日訂正
アメリカでは洗卵されているとの情報を頂きました。むしろ日本よりも早い段階で洗卵が行われていて、1970年代前半には洗卵されていたそうです。その後他国も追随し、現在ではカナダ、日本、そしてスカンジナビアでは洗卵が行われているとのこと。
詳細はこちらのリンク(英語)からどうぞ→https://tellus.ars.usda.gov/stories/articles/how-we-store-our-eggs-and-why/


アメリカでは、卵に限らず食品全般で割とサルモネラ菌の食中毒が発生します。印象として多いのは、ロメインレタスやカットフルーツにも多いです。特に夏場になると頻発します。

Pマークのついた低温殺菌された卵


アメリカでも、生食用卵の需要は一応あります。それは、お菓子作りの際などに生卵が必要なものがあるからです。そのため、低温殺菌された卵が売られていたりするようです。

低温殺菌は、Pasteurizeといって、その証拠に卵の頭の部分にPマークがつけられているらしいです。問題なのは、ほとんど流通していないこと

日本人が多いような大都市では売られているかもしれませんが、地方では残念ながら見かけることはありません。近隣の意識高い系スーパーは軒並み探しましたが、見つけることは出来ませんでした。

PasteurizedとPasture-raisedの違い

ちなみに、PasteurizedではなくPasture-raisedの卵なら結構売っています。

え?何?違いは何?と思いますよね。よく見てください。スペルが違います。意味も違います。後者は、牧草地(Pasture)で育てた(-raised)親から産まれました!という意味です。低温殺菌(Pasteurize)しているわけではありません。のびのびと育った親から産まれました!というのと、卵自体が殺菌されています!というのは完全に別ものです。

意識高い系スーパーでは、オーガニックで放し飼いで、ストレスにさらされずに産まれた卵として売られているのですが、サルモネラ菌が絶対に居ない、というわけではありません。ただし、そこらへんの卵よりかはサルモネラ菌の可能性が低いとされています。

その理由ですが、オリに入れられて産卵しまくっているわけではないので、糞尿にまみれにくいから、とのことです。ブロイラーのように産卵マシーン状態になっていると、同じ場所で窮屈に産卵も排泄もしまくり、卵の上から上乗せボーナスが乗ったりすることもあるのでしょう。

放し飼いだとそういったリスクも少ないよ、ということらしいです。糞まみれにはなりにくかった卵、ということです。

電話でお店に問い合わせても、Pasteurizedという単語自体知らない店員さんが多く、Pasture-raisedだと勘違いしていて、「うちの店にもある」なんて言われて超期待してスキップで行ったら全種類Pasture-raisedでとても悲しい気持ちになったことが何度もあります。

紛らわしいですが、完全に異なるものなので気をつけましょう

自家低温殺菌で卵かけご飯をDIY


うちの付近にはPマークのついた卵が売ってないし、いくらリスクが低そうとは言っても、放し飼い卵も不安。特に子供には食べさせたいけど食べさせてあげられない。

そんな場合はどうしたら良いのでしょう?サルモネラは全部の卵を汚染しているわけでもないし、仮に汚染されていたとしても汚染度が低かったりするらしいのですが、やっぱり生食は不安。

でも、食べたい。

卵かけご飯も食べたいし、すき焼きだって卵が無いとすき焼きにはなり得ません。のり巻きでのりが無いようなものです。近い、けど惜しい。惜しい、けど、違う。イチゴの無いショートケーキ、の方が伝わりやすいでしょうか。とにかく生卵の無い人生なんて、考えられない!つくねに卵黄は必要ないですか・・・?

どうやったら食べられるのか。もう自分でやるしかないのか。

海外生活自体は昔と比べてかなり楽になりました。アジア食材へのアクセスは格段に良くなりましたし、値段も下がりました。一つのアイテムに対して、2,3種のメーカーの品が選べる場合もあります。

なのに、なのに、卵だけは取り残されているのです。調べても調べても、自分が生卵を食べられない事実の外堀が深くなっていくだけ。情報が少ない。卵かけご飯食べたい。

よし、もう自家殺菌しちゃおうと思い立ちました。
ここまですごく長かった。。。できれば卵買いたかった。

Anovaという精密低温調理器はマストバイ

Anova Precision Cookerそんなとき、運命の出会いがありました。Anovaです。低温調理器です。ただのスロークッカーではありません。温度設定が0.5度刻みで出来るという精密機器です。上位モデルになるともっと細かい単位で設定可能です。

これだ!!!

と思いました。

お値段は99ドルからで、卵かけご飯が海外で安心・安全に食べられるというのであればむしろ幾らでも払いたいくらいです。Amazonでは時期によって79ドルから99ドルの幅があるようです。

1杯あたりで考えれば、一時帰国して食べる卵かけご飯の価値には往復の飛行機代も含めなければならないため、海外在住者にとって1杯の卵かけご飯は10万円以上の価値があると言えます。それがこの値段で買えて、ひたすら卵かけご飯を食べれば十分に元が取れると判断しました。

下位モデルは99ドルで買えます。ただ防水機能がついていなさそうだったので、対水没の保険をかけるため、防水機能のついた149ドルの中位モデルにしました。

一般的には、肉をいい感じに調理するために使われるようです。我が家にとってはメインの使い方ではありませんが、卵かけご飯専用機にはならずに、他にも使えるというのも購入に至った経緯の一つです。

Anovaのメーカー製品ページはこちらから。

子供が取り憑かれたように食べまくる

これが本当にすごいです。

3歳児が卵かけご飯だけでも3杯くらいお代わりしたりします。導入当初は毎日卵かけご飯のリクエストがありました。麺類よりもよっぽど栄養がありますし、本人も喜ぶわでもう大満足です。

海外生活最大のデメリットと言っても過言ではない、卵かけご飯の無い生活、に終止符が打たれました。Anova、本当にありがとう。日本恋しい!と思う機会がぐっと減りました。食生活はQOLと密接に関係するので、心から買ってよかったと思います。

下の記事でも買いた通り、海外生活で感じるデメリットの何点かは食に関連するものです。これらを解決して、海外生活のQOLを爆上げさせましょう。
海外生活のメリット・デメリットまとめ

子供がいる友人家族にもこの話をしたら速攻で買っていたので、これは記事化して海外在住の日本人に周知すれば必ず役立つと信じて気合いを入れて書きました。

最後に我が家での低温殺菌の様子を載せておきます。

  1. 常温に戻しておいた卵を60.5度で10分間。
  2. 殺菌後は氷水で冷やします(余熱対策)。
  3. 家族ニッコニコ!!


ご参考までに、
温泉卵は70度で20分です。
半熟卵は90度で10分8分です。
トロトロの卵で数段レベルの上がる料理はパスタ系に多いです。

これで卵かけご飯食べ放題です。
面倒くさがりの我が家は一度にまとめて殺菌して冷蔵庫に保管しておきます。念のために元の卵ケースは使わないでくださいね。

ちなみにこれで先日カルボナーラ作ったら美味しすぎて爆死しました。

ぜひお試しください!

※2020年9月28日追記
我が家の殺菌設定について質問を頂いたのでブログにも追記しておきます。
USDAの殺菌についての規定が、摂氏60度、3.5分間というのが最低条件として定められています。卵のサイズや、内部温度のブレなども考慮して我が家では+0.5度設定、時間も10分間にしてあります。

卵の生具合の維持など試行錯誤した結果、60.5度で10分間というところに落ち着いたという経緯があります。そこまで真面目な情報を求められてると思わず、辿り着いた経緯を省力していました。

こちらが60.5度で10分の卵です。少しだけ白身に色がつき、ほんの少しだけゼリー状になりかけます。混ぜると普通の生卵です。



 また、Twitter上のやり取りの中で超有益な情報も頂きました(アメリカ)。


こちらは卵の鮮度に関する情報です。卵のパッケージに記載されている、〇〇までに消費してね!という記載の部分に着目するのではなく、実際にパッケージされた日付が分かる、というものです。


3桁の数字は1月1日から数えてのDAYなので、このテーブル表を覚えなくても簡単に暗算することが出来ます。例えば250と書かれていれば、30で割って8、あまりが10です。なので9月の10日前後にパッケージされたということが分かります。


この日から1週間、2週間以内程度であれば新鮮な卵として頂けると判断して良さそうです。


実際に私も自宅やスーパーで確認してみましたが、だいぶばらつきがあるので、アメリカで卵を買うときはこの3桁の数字を確認することが必須です!


この3桁の数字の把握と、Anovaの活用で安心・安全・合法の卵かけご飯パーティーの開催で皆さまご自宅で優勝しましょう!!

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