サラリーマンなら、海外駐在のすゝめ➅


ニューデリーに到着

無事にインドに到着した選択のすゝめ。

かすかな記憶を辿れば、会社の総務の人が空港まで迎えに来てくれていました。

勝手なイメージですが、空港にてもう数億人くらいいそうなイメージ(申し訳ない)だったので、無事に会えたときはほっとした。と思います。

他に残っている記憶と言えば、空港からホテルまでの道すがら。

道路が汚いことと、縁石が赤と白に交互に塗られていたことです。

注意を促すためか、やはりアジアらしく、クラクションは鳴りっぱなしでした。

子供のおもちゃのような、かわいらしい類の音なのですが、ひたすら鳴りっぱなし。お互いに、ぶつからないようにするにはとても良い方法なのですが、やはり耳に心地良いとは決して言えません。



ニューヨークで聞きなれていたはずのクラクションやサイレンの音を掻き消すほどの騒音と空気汚染で、ニューデリーは私を迎え入れてくれました。しかし、この国のことは何も知らない。何も調べて来ませんでした。馬鹿か。

ホテル到着

ニューデリーのコンノートプレース近くの宿が用意されていました。

ニューデリーは想像していたよりずっときれいでした。

が、食事は安っぽくて薄くて小さめの食パンを焼いたものだったり、野菜はどこか色褪せていたりと、やはりここはインドなのだと実感しました。

私はホテル周りを散策することにしました。

しかしインド人しかいない。気がする。

日本に来た外国人も、しかしアジア人しかいない、ときっと感じるでしょう。

しかし道路にごみが散乱している。砂埃がすごい。排気ガスもすごい。とにかく汚い。これは気のせいではないだろう。私は道端に座り込んで、観察をすることにしました。

すると、、、いきなり横に座ってくるインド人。

横と言っても真横。

仲良い友達だとしても、どうかと思う距離。近い。近すぎる。

インド人、日本語で話しかけてくる。怪しい。怪しすぎる。

怪しすぎるので、丁重にお引取り頂いた。そんな輩が沢山いました。数億人とまではいかなかったが、短時間で数人同じことをしてくるのはどう考えてもおかしい。

コンノートプレースには見慣れたゴールデンアーチがあり、安っぽい食パンとサラダから離れたかった私はそこに吸い寄せられるようにして入っていきました。

ザ・ゴールデンアーチ。みんな大好きマクドナルド。全世界でどこに行っても安心して食べられる同じ味。得体の知れない何か、ではなく揚げたてのポテトはやはり安心感があります。

あなたはマクドナルドで安心したことはありますか?

マクドナルドとカースト制度

だがしかし。高い。現地の物価で言えば相当高い。これでは全然安心できない。

これは決して一般市民には食べられない高級食だということに気が付きました。

そして・・・ある種の期待が高まります。ご当地マックはあるか。。。日本の照り焼きマックのような何かが。。。ありました!!!スパイシーチキン!!!イエス!!!ノープロブレム!!!

これは期待出来そうなネーミングだ。私は即スパイシーチキンセットを注文しました。どれくらい辛いのだろうか、ドキドキしてきました。

自分の席を選ぼうとしているとき、あることに気が付きました。

インド、マックで誰も片付けません。片付け専用の仕事の人がいました。まるでレストランです。

自分で片付ける文化が、マックで食事をできるほどのお金持ちには根付いていないことが判明しました。

なんだかインドのカースト制度の片鱗を味わった気がしました。

ちなみにスパイシーチキンは相当おいしかったです。インドにいる間、かなりの回数を食べたと思います。インド10億人の中で、控えめに言っても確実にトップ10には入っていたはず。いえーす!!!!

インドの人間模様を一部感じ取った私は、カースト制度について改めて考えさせられていました。

留学生時代、インドやバングラデシュ出身者の中には、上位カーストを鼻に掛けるような人が沢山いた。らしいです。

それを教えてくれた人は、あまり良いカースト出身では無かったのだろうと思います。確かに、上位カースト出身という人と話すと、『○○のカーストは低いから』という話をすることがたまにありました。

制度の内側にいる人間にとっては、きっと大事なことなのだろうと思います。

日本とまるで同じだと、私は思いました。

身分制度と外国人

外国人はカースト外の人間なので、カーストに組み込まれることはありません。日本に来た外国人がお客さん扱いされるのをイメージすれば分かりやすいと思います。

ですが、インドでインド人社長の下で働くとなると、話は別です。

インド人社長のパワハラはすごい。すごかったです。

カースト数段下の人間を扱う感じで選択のすゝめは扱われました。

インド人は、苗字を聞いただけである程度カーストを判断できるのだといいます。日本の漢字3文字系苗字と似たようなコンセプトでしょうか。

インドのカースト制度は、日本のお家制度とほぼ同じです。産まれのカーストと、職業カーストの両方が存在します。職業カーストは、縛られているわけではないのですが、教育や経済的な理由もあって結局良い職業につけない状態が続いています。

転職先の正体は超絶ブラック企業

今思い出しても、パワハラがひどかったです。超絶ブラック企業そのものでした。

休み無し、24時間働けと文字通り言われるようになりました。

日本へ出張することもありましたが、1日に8件のアポを詰め込み、夜は取引先を接待、その後は自分のインド人社長を接待。終わりが見えず、朝まで。しかも、中身はほぼ説教や侮辱でした。次の日もまた8件あるというのに。

せっかくの日本出張、家族にも会いたいと言ったらそれは論外だとされました。

仕事が終わったら、という考え方はありません。

なぜなら、24時間仕事扱い!!!

朝方説教が終わった後にホテルを抜け出し、家族に顔でも見せに行きました。

すると、、、社長から怒涛の電話攻撃。

出ると、電話口の向こうで怒り狂っていました。

会社の金で来ているんだから、一分も自由時間は無い!とのこと。

まじかよ!!!すごいぞ!!!

この会社、まじやばい。

だが、私は我慢を続けていました。

何故なら、私は未来のためにそこまで来たからです。

それに、ニューデリーではなく別拠点の拠点長としてのポジションを約束されていました。それまでの我慢。そう思っていました。

土日も自発的な出勤(もちろん無料)を求められ、何とも最低なインド生活を送ることになってしまいました。

これは、、、駐在待遇なんて程遠い。確かに家と車は会社負担であるけれど。。。これじゃ本物の奴隷だ。。。

見え始めた自分の本当の境遇

その頃、インドにてホテル暮らしから家へ移っていた私は、停電ばかりが続き、冷房も水の汲み上げも出来ない暗闇の中で大量の蚊に刺されながら、自分の行く末を案じるばかりでした。

電気は、本当にライフラインだということを実感しました。気づけよ自分、早く。。。

無いと何も出来ません。

仮に上物がどんなに良かったとしても、インフラが整っていないと意味が無い

車も、運転手付きと言えば聞こえは良いのですが、小汚い小型車小汚い運転手超荒い運転で、しかもよく壊れて道端で運転手が修理をし始めたりするような車でした。

ちなみに小型車のサイドミラーは片方しかないのがインド標準。
よくぶつかって折れるから、無いのが標準になったのだと思われます。

ニューデリー中心部以外の道は舗装されておらず、非常にボコボコしており雨の後は最悪です。

また、速度制限のためのバンプが道路に設置されているのですが、狭い上にサスペンションなんてまるで効かない車内では窓や天井に頭がぶつかってばかり。

ノープロブレム。。。これは自分に言い聞かせるおまじない。

ということに気づくところまで悟りを開いたのは、渡印2、3週間くらいのことだったように思います。ビザ取得時の記憶が蘇ります。Be together, be together....違う。ノープロブレム!ノープロブレム!!!

ニューデリーで借りていた物件が雨漏りをすることに気づき、対処を依頼しに大家さんと話したときも、彼は念仏のように繰り返していました。

『ノープロブレム。ノープロブレム!!』

見てみないふりは、可能な限り見ないふりを続けるのがインド流。

次回もインドの話です。



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