海外の反応を見分けるポイント。印象操作には要注意!

こんにちは。アメリカ駐在中サラリーマンの選択のススメです。本日は、海外の反応について、海外で働くサラリーマン目線で説明していきます。

海外の反応って気になる?どれが本物の反応?

アメリカに居ると、海外の反応が良くわかります。というのは言い過ぎかもしれませんが、私のような素人でもダイナミックな部分を感じることが出来るのは本当です。特に、経済については、アメリカ発の動きが多いように思います。日本の株式市場や日本円の値動きというのは、それら単体での動きではなく、アメリカ市場やUSドルの動きを大きく反映しているため、大きな流れとしてはアメリカの情報に注視していれば良いわけです。

情報というのは本当に大切です。なんらかのアクションというのは、持っている情報を元に決定されます。その情報が間違っていたら、あとに続くアクションは見当違いな物になってしまうため、現状把握はとても大切なものです。

明らかに見当違いであれば分かりやすいためまだ良いのですが、少しだけ間違っている場合などは二度手間や、取り返しの付かない事態を産み出す温床となっています。情報過多である現代、ニュース自体がそもそもフェイクニュースだったりしますし、情報の取捨選択自体がまず大切です。例えばテレビを見ていて、何か気づくことはありませんか?テレビでも何でも、気を付けなければならないことがあります。本日は、そんなお話です。

2016年のアメリカ大統領選挙戦のアメリカでの反応

日本のメディアでは、ほぼ例外なくヒラリー候補が有利と報道し続けていました。トランプ候補の扱いはひどく、駄馬の扱いでした。現実味が無いと。確かに、以前はそうだったかもしれません。東京都知事選に出てくる色物候補のような立ち居地だった気がします。ところが、当時の実際のアメリカで私が感じていたことは、随分と異なる状態でした。

アメリカでは、他のエントリでも触れたように、当事者意識が高いです。毎年個人で確定申告をし、税金という言葉・存在に敏感です。税金の遣われ方、つまり自治・自衛の意識が高いのです。そのアメリカでは、選挙戦の最中など、自分の車や、庭先に自分が応援する候補のステッカーを自ら掲げます。日本でよく見る政治家の顔つきの、平仮名だらけのおかしなポスターは、選挙陣営自らが張って回りますが、アメリカでは応援する側の人間がすすんで掲げることが多いです。他人に干渉せず、個人の意見を尊重し、その表明を恐れない文化があることも要因の1つだと思います。

当時私が見かけたほとんどの看板が、TRUMP/PENCEという(大統領候補・副大統領候補をセットで書いてあるのが通例)でした。周りの人間にも聞き取りをしたところ、『どっちもどっち』という人と『絶対トランプ』という人で割れているようで、『絶対クリントン』という人は一人もいませんでした(私が出会わなかっただけで、実際は沢山いたのでしょうが)。

テレビの演説で言っていることも、トランプはまともなことばかりでした。政治家、というよりも、企業家が自社の従業員に対して自社の利益の話をしているようでした。従業員は、自社の復活を当然望んでいます。そのような構図でした。

『どっちもどっち』という意見は割と多く、テレビではよく、ヒラリー候補とトランプ候補の違いを『刺されて死ぬか、撃たれて死ぬか』の違いとして表現されていました。アメリカらしい表現です。

実際に、一人の政治家としてどちらが優れているのかは分かりません。協調路線のオバマ大統領のやり方が正しかったとすれば、どちらも劣る、という認識だったのだと思います。ただし、オバマ元大統領は、世界的に見れば良い人なのでしょうが(日本からも良い印象を持たれている方も多いと思います)、裏を返せば、外面を良くするのではなくまずは自分の国をどうにかしろ、とアメリカでは思われていたということです。何が正しいかは人それぞれだけれども、国益を最優先する、というのが求められる資質として一番だったのが前回の選挙戦のポイントだったのでしょう。

トランプ大統領は、外面は気にしません。自国の利益を貪欲に追及し、実現するスタンスがぶれません。労働者層ではそれはそれは絶大なる人気を誇っています。そのため、次期大統領選もトランプ大統領が勝つと私は思います。彼のやり方が好きか嫌いか、本当に有効なのかは別として(私は嫌いですし、特に若年層は嫌いな人が多いように思います)、彼の再選は確実なものだと言えます。なぜなら、実際に自国に利益を求め、鉄が熱い内に叩きまくるタイプだからです。一般市民から見ると、頼りがいがあり、彼ならなんとかしてくれるだろう、という思いが皆強いです。表裏がなく、実際に見えるアクションの持つ力は、非常に大きいです。『100%正しい人は居ないけれども、少なくとも彼(トランプ大統領)はアクションを起こすんです。しかもすぐに。それは前政権と大きく違うところだと思います』と、白人の労働者層は口を揃えて言います。

大事な決断が必要なときは大概印象操作が行われている

ここで日本のメディアの話に戻りますが、皆さん思い出してください。ヒラリー候補と、トランプ候補の口調を。どのような話し方でしたか?どのような印象を持たれましたか?

日本のメディアでは、ヒラリー候補の翻訳は敬語、トランプ候補の翻訳は乱暴な口調で統一されていました。これがよく言われる、印象操作です。話す英語は同じなのに、です。勿論、言い回しが異なったり、選ぶ言葉や言い方もそれぞれ異なります。確かに、そんなこと言っていいの?的な表現をトランプ候補がしていたことも事実です。ですが、粗野で乱暴な言い回し100%ではありません。ちなみに、日本の報道にあったような、ヒラリー完全優勢、というのは選挙戦の最初から最後まで、個人的にはアメリカで感じることは一度もありませんでした。

日本の報道は、一体なんだったのでしょうか?

他にも、日本の報道に疑問を持った大きな事件がありました。
2011年3月のことです。

原発がメルトダウンを起こし、水蒸気爆発が発生したとき、海外のメディアで見たものと、日本のメディアで報道されたものは全くの別物でした。

海外では明確に、爆発、と表現されましたが、日本のメディアでは、白煙が観測、と表現されました。これだけでも大きな違いなのですが、日本の報道で一番驚いたのは、報道映像が無音だったことです。無音の場合、爆発感がかなり薄れます。
あなたが爆発を表現するとき、音で表現しませんか?『ドーン!!』と。広島でも『ピカドン』と表現されました。その表現のまさに核となる音が、日本のメディアでは軒並み、意図的に消されていたのです。

海外のメディアでは、爆発時の映像と音声が繰り返し報道されており、日本の報道では『メルトダウンはしていない、ただちに影響はない』と繰り返されていました。印象操作を明確に意識したのは、この時からです。最近の件で挙げるならば、なんとかメンバー、という表現なども有名な印象操作の一つです。

震災の際にはパニックを起こしたくない、という目的は理解できますが、やり方には賛成できません。正しい情報へのアクセスを遮断することは、正しい判断にはつながりません。情報漏れ漏れのこのご時世に、情報を統制しようとするそのスタンス自体、およびそのお粗末さに疑問符がつきます。だからこそ、報道全般に対して疑問を持つようになりました。同時に、自分の意見を内側に閉まっておかずに、表明することも大事だと感じます。

医療大麻をはじめとする、カンナビジネスへの報道へのあり方も疑問

日本の大麻への報道スタンスに対しても、時として疑問を持たざるを得ません。メリット・デメリットを表に出して、建設的に議論をすることが健全です。日本で大麻が合法化されることは、医療目的含めても、あり得ないと思います。私はカンナビジネス(合法的な大麻産業のビジネス)の一社であるカナダの大麻製造業者の株式に投資していますが、大麻についての正しい情報を得ることが難しいと思うため、北米の状況で、伝えられることを日本語で伝えていきたいと思います。

規制するならするで、法律なので守ります。ですが、本当に必要な人もいるでしょう。その人たちが正しい判断をできるように、正しい情報は蓋をせずに、公開していく必要があります。


一次情報へアクセスすることが一番大事

一番良いのは、元情報へアクセスすることです。英語発信のニュースであれば、英語を理解することです。それが出来ないのであれば、グーグル翻訳にでも突っ込んでおくほうが、テレビで印象操作済みの翻訳を見るより確かな情報を得ることが出来ます。又聞きだけで判断せず、自分で確かめることが大切です。百聞は一見に如かず、です。英語だけできて仕事が出来ない人はもちろんいます。例えるならそれはタッチタイピングができるけれども仕事が出来ない、と言っているのと同じレベルではないでしょうか。母語以外にアクセスを持つことで、悪いことは一つもありません。

ウォーレン・バフェット氏の愛車がスバルだという誤報も、英語では翌日に誤報だと大きく伝えられましたが、日本語では訂正されないままです。ウィキでは修正されているようですが、株価を大きく上下させる可能性があるのにニュースとしては取り上げられていません。自分で調べるまでは、私もスバルへの評価が『あのバフェットも認めているんだ!よくわからないけれど、すごい!』と悲しいレベルのものでした。

海外の反応が気になるなら、現地語、或いはメジャー言語(例えば英語)の有る程度の能力か、グーグル先生に聞くことのできるレベルのITリテラシーは必須です。

使える言語が増えると、良いことがあります。それは、入手できる情報の数が桁違いに増えることです。また、単なる記号が意味有る言葉に変わります。大好きだった歌が、性欲剥き出しのしょうもない内容の歌詞だということに気づき、はっとしたことも、カーペンターズの切ない響きは言語を超越していたのだと理解できたことも、今となっては良い思い出です。異論は認めます。ですが、英語学習の良いきっかけではありました。洋楽を一曲、自分なりに理解するのは非常におすすめのやり方です。

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