人生に目を閉じて前進した結果、サラリーマンになった
私は大学を卒業してから、深く考えずに就職をしてしまいました。本当に、先のことを考えずに生きていたことを、思い出すと今でも恥じています。
当時、私は日本の大学を卒業したあと、さらにアメリカへ留学をしていました。
留学先はアメリカの地方の大学で、在学中は文字通り必死に勉強し、
本末転倒ではありますが、ついていくのに必死で日々の課題しか見えていませんでした。
アメリカで4年制大学を卒業すると、その後1年間、学生ビザのまま合法的にアメリカで働くことが出来るOPT(Optional Practical Training)という制度があります。
利用できるのはそのときの一度だけであるため、『アメリカに残る・働いてみる』ことを優先してしまい、選択のすゝめは安易な現地就職をしてしまいました。
留学当初は、現地で就職とは考えてはいなかったのですが、その時の一度しか使えない、となると使ってみたくなるのが人間の性です。
これがいわゆる、留学生の現地採用です。
問題なのは、一般的な4年制大学卒業者よりも、労働条件が圧倒的に悪いケースが多いということです。
これがいわゆる、留学生の現地採用です。
アメリカ現地採用の罠
現地採用は、一般的には普通の就職です。問題なのは、一般的な4年制大学卒業者よりも、労働条件が圧倒的に悪いケースが多いということです。
例えば収入面から言えば、MONEY誌によれば、2017年大卒初任給の平均値は約50,000ドルだそうですが、ニューヨークなど人気都市でオファーされる給与ははるかに低い上、さらに長時間の無償労働が追加されたりします。
20,000ドル台という人はざらにいるんです。そこから税金等々が引かれ、残った金額でやりくりしなければなりません。メトロカードも基本的に出ないところが多いです。
北米、さらに都市部であれば物価は高いです。輸入物(日本の食材など)となればさらに高いです。
北米、さらに都市部であれば物価は高いです。輸入物(日本の食材など)となればさらに高いです。
家賃も高いです。
選択のすゝめがアメリカのニューヨークで現地採用として働き始めた2008年当時は、クイーンズ地区で、地上で一人暮らしするのに最低1,000ドルかかっていました。それ以下だと、誰かの家の地下しか借りられませんでした。
或いは、ルームシェア。大学でワンルームをシェアしていた経験から、もういい加減に我が城が欲しいと思い、シェアだけはしたくありませんでした。海外生活への変な憧れも、もう全くありませんでしたし。
また、アメリカは本土での戦争や地震など、破壊があまりなかったために古い建物が多いです。
また、アメリカは本土での戦争や地震など、破壊があまりなかったために古い建物が多いです。
特にニューヨークの殆どの建物は洗濯機を置くスペースも配管も無く、コインランドリーを使用するのが常。雨の日も、雪の日も。洗濯がめんどくさくて、下着の量が増える人も多いです。
それが嫌なら、もう少しお金を出して、共有ランドリーがあるアパートを探すしかありません。
古い建物では、温度管理や配管のせいか、貯湯式のお湯が全然温かくありません。
法律では、蛇口で華氏120度(摂氏で大体49度)出ないと駄目らしい(調べた。当時調べまくった。)のですが、私のは3桁に全く届かず。摂氏10度台の水しか出ないときが殆どでした。お湯の方だけフルスイングで。摂氏10度台。これまじです。
朝のシャワー時間など、そこのアパート総出で各戸によるお湯とり合戦です。
朝のシャワー時間など、そこのアパート総出で各戸によるお湯とり合戦です。
今日もお湯が出ない。。。昨日の夜入ってないのにぃぃい。。。なんて日常茶飯事。
私はコンロで鍋を全て使って湯を沸かし、それを洗面台で水と混ぜてシャワー用のお湯を作り出していました。
寒い。すごく寒い。そんなニューヨーカーは沢山います。ニューヨークに住んだことがある人なら、世界中のニューヨーク経験者とこのような思い出を共有できるでしょう。
みんなが経験豊富な、一流のお湯メーカーです。
ニューヨーク生活と言うと、聞こえは非常に良いらしいです。
みんなが経験豊富な、一流のお湯メーカーです。
ニューヨーク生活と言うと、聞こえは非常に良いらしいです。
アメリカで大学を出て、ニューヨークで就職し、なんて聞くと大多数が想像するのはウォールストリートを闊歩する外銀エリートたち。華やかなパーティや高級レストランでのシャンパンなどを想像されるのがオチです。
ですが実際の生活は、搾取され、自分の洗濯機すら無く、惨めなお風呂生活を送っています。
ですが実際の生活は、搾取され、自分の洗濯機すら無く、惨めなお風呂生活を送っています。
それでも、何をやっても人は人、自分は自分という文化が色濃く、何でもありで居心地が良いのは事実です。
「全員が黒羊」という例えを聞いたときはなるほどと思った。世界中からクセの強い変人が集まる特殊な街、それがニューヨークシティです。面白い街です。
給与面以外にも、デメリットはあります。
給与面以外にも、デメリットはあります。
OPTを利用して、いくら合法的に働けるといっても、会社側で一手間掛かるのは事実。さらにOPT後の就労ビザサポートを餌や首輪にして、留学生は現地日系企業にこき使われます。
よく、日本のサラリーマンは家を買った途端に飛ばされる、なんて話を聞きますがそちらと同じ感覚です。絶対にやめられないだろうという自信があるからこそ、使う側は権力が増してしまうのです。
さらに、就労ビザサポートさえ不確かな未来です。サポートすると言って実際はしなかったり、最初からサポートしない前提で、1年間の契約社員的な使い方をしている日系企業は多いです。
表面的にはサポートすると言ったりするのですが、これは日本社会の経験の浅い人間には分かりにくい罠です。
現地採用 VS 海外駐在員
そこに、です。海外駐在員という存在が日本からやってくるのです。日本からの黒船来襲です。
黒船の派遣には沢山のお金が掛かります。
・引越しに伴う諸費用
・現地住居費
・公共交通機関が無い場合は車両費、及びその維持費
・子供の学費
・医療費
上記に加え様々な費用が会社持ちです。
そして管理職ポジションでやってくるため、給与も高い傾向にあります。
また、日本での社会保険も維持できます。
高収入、低出費を実現し、且つ生活の質を上げることが出来る。それが駐在員です。
海外駐在員は、会社都合での転勤であるため、
安全の確保、日本と同等の生活の確保を第一とされます。そのため、現地採用が住むようなエリア自体が最初から候補に挙がりません。
分かりやすく言うなら、外資系企業の駐在員は広尾などのエリアに住み、得体の知れない山谷エリアなどには住まないのです。
海外での仕事はおろか、英語すら話せないような人間が洗濯機付きの家(マンハッタン内の高級住宅か、郊外の高級住宅地)に住みながら、海外生活の苦労を嘆く絵は滑稽にも見えます。
それは留学生が留学当初に経験する苦労に比べれば、なんでもないことかもしれません。留学生はお金や車も無く、現地学生と同等の立場で、彼ら以上の成績を狙わなければならないのだから。お金があれば、生活における大抵の苦労は排除できます。
実力主義で生き残ってきた人間が搾取され、また未来もなく、日本企業の中でうまくやってきた人が厚遇され、現地企業ではなく、日本本社の方を向いて仕事をする現実。
駐妻といわれる生物が、苦労を装った自慢しかしない日常。ひがみまくっていた私には、そういう風にしか聞こえませんでした。雨の日にIKEAのビニールバッグいっぱいの洗濯物を処理しにコインランドリーに行き、アミーゴたちと一緒にテレビを眺めながら洗濯物を畳む私。
大学出て、留学までして、一体自分は何をやってるんだろう。
今でもIKEAのビニールバッグを見るとニューヨークを思い出します。あれは洗濯に勤しむニューヨーカーのために作られたアイテムだと今でも信じて疑いません。
これ。
この構造を変えることは出来ないが、自分の未来は変えたい。変えるしかない。現状での待遇を改善するのか。それとも米系企業に転職か、或いは海外駐在を目指すか。
今でもIKEAのビニールバッグを見るとニューヨークを思い出します。あれは洗濯に勤しむニューヨーカーのために作られたアイテムだと今でも信じて疑いません。
これ。
無知の知、海外駐在への目覚め
私は思いました。これは、ひがんでいる場合ではない。今私がやっていること(日系企業の現地採用)は、なんだかわからないけど何かが確実に間違っている。この構造を変えることは出来ないが、自分の未来は変えたい。変えるしかない。現状での待遇を改善するのか。それとも米系企業に転職か、或いは海外駐在を目指すか。
ただ、行動に移せずに徒に日々を過ごしてしまっていました。
人生は、打算的に、計画的に、つまり戦略的に生きなければ搾取され続けるのだということを少しだけ分かって来ました。それは自分のせいであり、無知は罪だということも学びました。
経済学を学んだはずなのに、自分の人生の効用を最大化することに怠けていました。
活かすべきときが来ました。そう思っていました。
海外駐在は、世界共通のサラリーマン界の究極の奥義。— 選択のすゝめ🇺🇸『超・海外駐在』 (@sentakunosusume) December 30, 2018
会社都合での外国への派遣は手厚い保護がついてくる。
年収アップを狙うなら、海外駐在が最も手取り早い。経験も積めるので、その後の転職も有利。
子供への最高の英語教育も付随する。
昇進より、駐在。
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