コカ・コーラVSペプシ コーラ大戦争の新時代の幕開け


前回のエントリでは、コカコーラVSスプライトという単純な飲み物比較を行いましたが、今回のエントリではコカコーラVSペプシの比較を行います。但し、今回は味や成分の比較ではありません。企業同士の比較ですので、米国株や米国市場に興味のある方向けの情報です。バフェット銘柄です。

コーラ大戦争新時代はオートメーション!人件費削減レースは既に始まっている。

前回お伝えしたように、最新式のディスペンサーはタッチパネル式です。どこもかしこもタッチパネル。マクドナルドだってタッチパネル式注文のお店が増えて来ました。日本でも導入されていますよね。マクドナルドでは、対人だと口頭で数秒で済んでいた注文が数分かかるようになってしまい非常に不満な経験となってしまいました。

人員減らしでコスト削減効果があるのでしょうが、正直、あれをやるならウェンディーズなど他店に行く、という方もいらっしゃるレベルの出来だと感じました。ライバル店は、道を挟んだ向かいにあることが非常に多いです。お店や時間帯によっては、店員さんはドライブスルーのお客対応に付きっ切りで、レジは無人。タッチパネルで注文してね、ということも少なくありません。

こちらはドライブスルーの列に並びたくない(ドライブスルーはレジが1つ、一方店内はレジが複数あり注文までの時間が短いことが多い)ので、車を降りてわざわざ店内に入ったというのに、ということもありました。

店員さんとのコミュニケーションを極力減らしたい、という方以外には、消費者側ではあまりメリットがあるようには思えません。一人当たり必要な注文に掛かる時間が大幅に増えているために、セルフレジの台数を相当数置かないといとも簡単に長蛇の列が出来上がります。アプリでの事前注文が必須の時代かもしれません。

注文取ってくれる人も居なくなり、その内調理も自動化されてしまいそう。。。

新型端末のメリットとデメリット

さて、本題に戻りますが、飲料ディスペンサーでも同じことが言えます。

最新式のディスペンサーは、コカコーラ社のfreestyleもペプシコ社のspireもノズルが1つしかありません。対して、横並び式の従来のディスペンサーでは飲み物の種類の数だけノズルがあります。

コカコーラなどトップブランドは2つ分用意されていたりと、飲み物の種類以上にノズルがあったりします。そのためお昼の時間帯など混雑するときでもディスペンサーに並ぶ時間は非常に短いです。前の人と異なる種類の飲み物であれば同時に使うことも出来ます。選べる種類も、多くて20種類程度。


最新式のディスペンサーは、100種類以上のチョイス(組み合わせ)が出来るようになっています。選択肢が多い上に、ノズルが一つ。効率悪そうですねこれは。ディスペンサー自体が高額で、月々の使用料もこれまた高額ですので、多いところでも数台しか置いていません。混雑時には並ぶことが多いです。セルフレジと異なり、こちらの台数増加というのは、コストが大きくなり過ぎるためにビジネスオーナーにとってはあまり現実的な選択ではないかもしれません。


この最新式のディスペンサー、割と見かけるのですが、主流の座はまだまだ遠そうです。ユーザー(飲食業界や公共機関など)の飲料サービス導入についてのコンサルティングを行っているenliven社によれば、2016年時点で全米には約50万社が飲料ディスペンサーを使用する契約を結んでいて、飲料ディスペンサー自体は約75万台あるとのこと。コカ・コーラ社はその内の35万社と契約を結んでいるそうですが、freestyleの導入は3万台程度に留まっているそうです。日本では2011年あたりから導入されています。

コカコーラ社のfreestyleは以下リンクよりどうぞ。
Home Page

3万台というのは、既にコカコーラが口座を持っている顧客35万社の、10%にも届きません。enliven社の情報はコカコーラ社がfreestyleを導入し始めたのは2009年、追いかける形でペプシコ社が2014年にspireを導入。ちなみに2018年現在、私はまだspireにはお目に掛かれていません。コカコーラ強し、というのはいつの時代も変わらず、ディスペンサーを置いているレストランの7割がコカコーラのディスペンサーを置いているそうです。両方置いているところもあるのですが、コカコーラだけ、というところも多いです。マクドナルドは代表的な例です。

ペプシコ社のspireは以下リンクよりどうぞ。
The Pepsi Spire™ Family

新しいディスペンサーのデメリット


  • 時間が掛かる ∵ドリンクの選択肢が多すぎる、ノズルが一つしかない
  • 味が混ざる ∵ノズルが一つしかないため、前のドリンクの味が混ざる
  • 導入費用が高い ∵従来とは異なる新しい技術を盛り込んだ新規設備
  • 維持費用も高い ∵カートリッジが従来とは異なる。データ収集のためネット接続も。
  • メンテナンス費用も高い ∵以前はカートリッジ代に含まれ、新しいのは月額約300ドル
  • コストが見えにくい ∵仕組みが従来と異なるため、何に幾ら掛かったのか分かりにくい

ペプシコ社のspireは、コカコーラ社のfreestyleに比べて総じて安価

導入、維持、メンテナンスに掛かる費用が総じてペプシコ社の方が安いらしいです。カートリッジについても、freestyleのカートリッジで使われる液体自体、従来のカートリッジのものとは全く別物(成分がより細分化されている)。細分化することで、様々な味を創り出すことを可能にしている。

対してspireのカートリッジで使われる液体は、一部新しいフレーバーを除いては従来のものだとのこと。全くの新規開発よりも安価で維持できる理由はここにあるのかもしれません。後発だからこそ、先駆者の悪いところを改良しやすく、強みにすることが出来ます。

では消費者へのメリットは?


  • 選ぶ楽しさ
  • 創れる楽しさ
  • 真新しいテクノロジー
  • 凋落したブランドへのアクセス

ではユーザー(設置店舗)へのメリットは?


  • 凋落したブランドから新規ブランドまで数百種類の組み合わせを提供
  • 上記メリットを理由とする値上げの実施
  • 上記メリットによる新規顧客・リピーターの獲得
  • データ収集


コーラ大戦争は新時代へと突入

いかがでしたでしょうか?
個人の経験としては、freestyleもspireも対して変わらないとのこと。フレーバーが異なるくらいで、どちらかでしか経験できない特別な機能は無いです。導入コストは大きそうですが、消耗品ビジネスは縄張り争いが非常に重要となるため今後も新しいディスペンサーの普及は続くでしょう。目立ちますし、プロモーションにはぴったりです。

確かに、楽しいですよね、選べるのって。カスタマイズの喜びは、とても良く分かります。このブログの名前も、『選択のススメ Customize Me!』です。

コカコーラ社とペプシコ社の両社共に、ディスペンサー開発にかける投資が、益々大きくなりそうです。縄張り争いは、果てしなく続く。。。

ちなみに、私選択のススメ(ジャンクフード大好き)は、ペプシ派です。デザインはコカコーラ社の方が好きですが、飲み物として選べるのであればペプシを選びます。それにしても、spireにはまだ出会えていません。。。

enliven社のレポートを読みたい方はこちらからどうぞ。英語です。
Coke Freestyle vs. Pepsi Spire. The Cola Wars Re-ignite!

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